茶道具とは、茶を点てるために使用される道具のことです。
元々は、中国の天目茶碗や朝鮮の茶碗のように、日常的な喫茶や食事の際に用いられていたものでした。
その後、茶の湯が隆盛を極めた安土桃山時代、茶人たちによって茶道具に見立てられ、その所有者の精神を示すものとなりました。
各茶人の所持する一連の道具の流れは、「〜好み」と称され、その茶人の目利や佗び数寄を顕します。
現在では、多くの道具を持ち、歴代宗匠の道具や、季節に合わせた取り合わせをすることが良いことのように思われていますが、利休の頃はそうではありませんでした。茶道具を多く持っている茶人は大名や豪商などのほんの一握りの人々で、同じ道具を一年中使い続けることの方が多かったようです。
道具の多い少ないは、茶の湯にはまったく影響しません。茶壺一つ、釜一つ、茶碗一つ、創意と工夫を凝らして、茶を点てることは、現代も同じだと思っています。
道具は大きく2つの種類に分けられます。
茶席を物語る「主道具」と、茶席の準備に用いられる「水屋道具」です。